ピルの副作用・腹痛の原因と対処法

公開日
2019.11.06
更新日
ざっくりまとめると
ピルで起こる腹痛は、生理痛に似た痛みを持ち、腹痛のあとに下痢を起こすこともあります。
腹痛が起きやすいタイミングは、ピルの飲みはじめ、ピルを止めたあと(休薬期間中)、ピルを飲み忘れたときの3つです。
ピルで腹痛が起こったら、それぞれの痛みに対応した対処法を取りましょう。また、マーベロンやアンジュといった、腹痛の起こりにくいピルに変えるのも手です。

ピルの副作用で腹痛に悩まされた経験はありませんか?「仕事中も腹痛に悩まされて、集中できない」「ピルを飲んでいる間は大丈夫だったけど止めたら腹痛があった」など、ピルの副作用で腹痛を経験している人は多くいます。また、腹痛は下痢や吐き気を伴うこともあります。

「腹痛に悩まされずに安心してピルを飲みたい」。そんなあなたに、腹痛が起こったときの対処法を教えます!ピルで腹痛が起きる原因から対処法まで、詳しく見ていきましょう。

ピルの腹痛は生理痛に似た痛み


ピルで起きる腹痛の痛みは、通常の腹痛と異なります。ピルで起こる腹痛は、生理痛に似た痛みです。他にも、腹痛の頻度が多い点や、腹痛のあとに下痢を伴う点も、通常の腹痛と異なります。ただし、腹痛と一緒に便秘を伴う場合は、便秘から起こる腹痛でしょう。便秘によって腹痛が起こる場合は、痛みの他にも、腹部の張りや違和感を生じることがあります。

ピルで起こる腹痛の特徴
  • 生理痛に似た痛み
    生理痛のように、下腹部に鈍い痛みやチクチクとした鋭い痛みが生じます。
  • 腹痛の頻度が多い
    ピルで起きる腹痛は通常の腹痛と比べて、頻繁に腹痛が起こります。
  • 腹痛のあとに下痢になる
    まれに腹痛が現れたあとに下痢になることがあります。ピルを飲んで3時間以内に下痢をした場合はピルが吸収されていない可能性があります。再度、もう1錠飲みましょう。3時間以上経って下痢をした場合は再度飲む必要はありません。

ピルで腹痛が起きやすい3つのタイミング


ピルで腹痛が起きやすいタイミングは、以下の3つです。

ピルで腹痛が起きやすいタイミング
  • ピルを飲みはじめたころ
  • ピルを止めたあと・休薬期間中
  • ピルを飲み忘れたとき

上の3つに当たる時期は、体を冷やさないなど、意識して腹痛の悪化を防ぐことが大切です。なぜ、このタイミングは腹痛が起きやすいのでしょうか。それぞれ原因を見ていきましょう。

【腹痛が起きやすいタイミング1】ピルを飲みはじめたころ

ピルを飲みはじめたころは、体内のホルモンバランスがまだ安定していません。そのため、腹痛が起こりやすくなります。しかし、徐々にホルモンバランスは安定していきます。数日経つと腹痛は治まっていくでしょう。

【腹痛が起きやすいタイミング2】ピルを止めたあと・休薬期間中

ピルを止めたあとや休薬期間に入ると、子宮内膜がはがれ、出血が起こります。子宮内膜がはがれるときに、プロスタグランジンというホルモンが分泌されます。このプロスタグランジンは子宮を必要以上に収縮させ、痛みを強める働きをします。そのため、ピルをやめたあとや休薬期間中は、腹痛が起こりやすくなるのです。

【腹痛が起きやすいタイミング3】ピルを飲み忘れたとき

ピルを飲み忘れると、ピルの効果が弱まり、子宮内膜がはがれ、出血をします。ピルを止めたあとや休薬期間中と同様に、プロスタグランジンが分泌され、腹痛が起こります。腹痛が起こった場合は、ピルをいったん休止するとよいでしょう。

避妊のためにピルを飲んでいる場合は、次の生理が始まってから再開するのが一般的。再開するときは、念のためお医者さんに相談しましょう。

腹痛の原因はホルモンバランスの乱れと便秘


ピルで腹痛が起きる主な原因は、ピルを飲んだことによるホルモンバランスの乱れです。また、ピルの副作用で起きる便秘が、腹痛の原因になる場合もあります。それぞれどのような仕組みで腹痛が起こるのか、見てみましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ピルによる腹痛の主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。ピルには、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが含まれています。そのため、ピルを飲むと体内のホルモンバランスが変化し、一時的に乱れが生じます。ホルモンバランスが乱れると、体にさまざまな不調があらわれ、そのうちの一つとして腹痛が起こるのです。

ピルによって起こる便秘

ピルの副作用で、便秘が起こることがあります。その便秘が腹痛の原因になります。ピルに含まれているプロゲステロンは大腸の動きを抑制し、水分を吸収する働きをします。そのため、別名「不通ホルモン」と呼ばれます。腸内に大便が詰まり、腸内の圧力が高まることによって、腹痛を引き起こすのです。

腹痛とともに吐き気が起こることも


ピルの副作用で腹痛が生じた場合、吐き気を伴うことがあります。軽い腹痛と吐き気の場合は、様子を見るとよいでしょう。しかし、激しい腹痛と吐き気の場合は、医師に相談してください。卵巣脳腫、急性腹症などが隠れている可能性があります。

腹痛が起きたら、リラックスしたり、お腹を温めたりしてね。そうすることで、吐き気を防げます。

マーベロンやアンジュは腹痛が起きにくい

ピルの副作用には個人差があるため、人によって腹痛が出やすいピルは異なります。ただし、ピルの中でも腹痛の発生率が高いピルと低いピルがあります。マーベロン、アンジュは腹痛の発生率が1%未満と低めです。ただし、自分の判断でピルを変えるのは危険を伴うので、お医者さんに相談したうえで変更しましょう。

ピルごとの腹痛の発生率
ピルの名前 腹痛発生率
オーソ777-28 5.0%未満
オーソM21 5.0%未満
ヤーズ 5.0%未満
トリキュラー 0.1%~5.0%未満
マーベロン 1.0%未満
アンジュ 0.1%~1.0%未満

ピルで腹痛が起きたときの対処法

ピルによる腹痛の対処法は、2パターンあります。生理痛のような痛みの場合と、便秘による痛みの場合で、対処の仕方が分かれます。それぞれの対処法を知り、腹痛になりにくい体づくりをしましょう。

生理痛のような痛みの場合


生理痛と同じ症状の場合は、生理痛と同じような対処をすれば改善されます。対処法として、腹部を温めたり、市販の痛み止めを飲んだりすると腹痛が和らぐでしょう。

腹部を温める

腹部を温めると、腹痛が軽減します。腹部が冷えていると、血流の流れが悪くなり、腹痛が悪化します。腹痛が起きた時は、マッサージをしたり、腹部を温めたりするとよいでしょう。

痛み止めを飲む

腹痛がひどいときは、痛み止めで腹痛を緩和させましょう。市販の痛み止めは、ピルと併用しても問題ありません。すぐに腹痛をおさめたいときは、痛み止めを使うのが得策です。

便秘による腹痛の場合


便秘による腹痛の場合は、便秘を解消しなくては腹痛が改善できません。便秘を解消するためには、以下の3つが重要です。

便秘を改善するために大切なこと
  • 水分を多めにとる
  • 運動をする
  • 食物繊維をとる

それぞれの項目について、詳しく紹介します。

水分を多めにとる

水分を多めにとることで、便秘が解消されやすくなります。水分が不足していると、大便に水分が含まれず、便が固い状態になります。便が固いとスムーズに排出されません。多めに水分補給をし、便を排出しやすい状態にしましょう。ただし、水分補給する場合は、一度に大量の水分を摂取せず、こまめに補給することが大切です。

運動をする

便秘を改善するためには、運動はとても大切です。特に、腹筋を鍛えることは、便秘を解消するのに効果的です。また、短時間の激しい運動や、週末だけの運動では便秘を解消できません。毎日20分から30分のウォーキングや、腰を左右にねじる軽い運動が便秘に効果的です。

食物繊維をとる

食物繊維は、便秘解消の手助けをしてくれます。食物繊維には、水に溶ける食物繊維(水溶性)と、水に溶けない食物繊維(不溶性)の2種類があります。

水溶性の食物繊維は、水に溶け、便をやわらかくする働きがあります。不溶性の食物繊維は、腸内で水分を含み、数十倍に膨らむ性質があります。腸内で食物繊維が膨らむと、腸壁が刺激され、便の排出が促されます。

不溶性と水溶性を2:1の割合で摂取すると、便秘に効果的です。2種類の食物繊維を、それぞれ紹介します。

水溶性の食物繊維
  • こんにゃく
  • 海藻類(寒天・昆布・ひじき・わかめ・もずく等)
  • 果物類 (きんかん・レモン・ゆず等)
不溶性の食物繊維
  • 穀類(そば・ライ麦・大麦等)
  • 豆類(大豆・小豆・えんどう豆・ひよこ豆等)
  • 野菜類(ごぼう・切り干し大根・ブロッコリー・とうもろこし等)
  • いも類(さつまいも・里芋・山芋等)
  • きのこ類(えのき茸・きくらげ・しいたけ等)

腹痛の不安は解消しましたか?

腹痛は、ピルの副作用としてよく見られる症状です。ピルで起こる腹痛は、生理痛に似た痛みを持ちます。また、ピルの副作用で便秘になる場合があります。便秘が伴う場合は、便秘による腹痛でしょう。

腹痛の主な原因は、ピルによるホルモンバランスの乱れです。ホルモンバランスは徐々に整ってきますが、飲み始めはまだ安定していません。そのため、飲み始めはとくに腹痛が出やすくなります。他にも、ピルを止めたあとや休薬期間中、ピルを飲み忘れたときは腹痛が出やすくなるので要注意です。

ピルを飲んで、生理痛のような痛みの腹痛が起こった場合は、腹部を温めたり、痛み止めを飲んだりすると効果的です。便秘による腹痛の場合は、まず便秘を改善しましょう。水分を多めにとる、運動をする、食物繊維をとるなどすると、便秘を解消できます

対処法を知っていれば、もう腹痛に悩むことはありません。ピルで腹痛が起こった際の対処法の知識を持ち、安心してピルを飲みましょう。